何となく、皆さんはイルカは夏~秋がシーズンと思っていませんか?
イルカは私たちと同じ恒温動物ですし、私たちが寒くて海に入れない時期はイルカたちも暖かい方へ泳いで行ってしまうと勘違いしている方もいるようです。
実はそんなことはなく、寒い時期にあまりイルカのイメージがないのは、あくまで人間が海に入ると寒いからということに起因しています。
人間の場合、ウエットスーツだけでは冬の海はなかなか寒く、かといってドライスーツという体が水に濡れない特殊なスーツを着ると、今度はスーツの構造上スキンダイビングがかなり難しくなるので、やっぱり冬場は無理せずお休みしようという流れになってきますよね。
一方そんな冬も、イルカたちは普通に乗り越えます。
日本でも天草諸島や伊豆諸島にイルカが居ついているポイントがあり、そこではイルカを1年通して観察することが可能です。
特に伊豆諸島では冬の水温が13℃とかなり下がってしまうこともありますが、イルカたちは毎年その寒さを乗り越えて春の出産シーズンを迎えるのです。
ではなぜ人間と同じ恒温動物のイルカがそんな寒い時期を乗り越えることができるのでしょうか。
イルカには意外と分厚い皮下脂肪があり、それで寒さを凌いでいるのです。伊豆諸島に住んでいるようなミナミハンドウイルカの場合、その量は体重の約20%ほどと言われています。
ちなみに北極圏に住むバブルリングでお馴染みのシロイルカは50%もの皮下脂肪を持っていることも分かっています。厚さにするとかなりのものですね。
私たちは時にマイナスになる気温の中を洋服を着込むことによって耐え凌いでいますが、イルカたちは皮下脂肪という服を着込んで寒い冬を過ごすわけです。
水温で考えれば、陸上の気温のように氷点下にはほぼならないので(北極・南極圏でも-1~2度くらいまで)、そう思えば陸上よりも過ごしやすいかも?とも思えてきます。